スプラッタ殺人3

森田  2007-04-02投稿
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発見された死体は、これまでの事件と同様に、一部が欠損している―――。


恐らく…この犯人は――。


「殺して、食ってやがる」


ぞわりと、悪寒が走る。


大した奴だ。


親父も不幸だったな。こんな変態に殺されるなんて。


化けて出ないことを祈るか。


報道は捜索陣の怠慢を叫び始めていた。


……………。


いずれにしても、俺には関係ない話だ…。


たとえ肉親が死のうと俺自身には関係がない。


今は、目の前の生活に集中しよう。


俺は頭を振って物騒な思念を追い払い、朝食の用意を始める。




ピンポーン…


部屋に呼び鈴のやかましい音が鳴り響く。



時計を見ると


8:00


ギリギリ朝っぱらと言える時間帯。


まったく…誰だよ…。

ガチャ


ドアを開けると、そこには怪しげな二人組―――もとい手帳をひけらかす刑事さんが、俺を待っていた。


あちゃー大家の奴…家賃滞納してるからってこれはやりすぎでしょ。


「倉冨正志だな?」


いいえと言いたいが…。


「そうですが…あんたらは一体…?」


俺の質問を無視。国家権力フル活用だな。


「倉冨祐一と言うのは、貴方の父親ですね?」


「…?ああ、そうだが、それがどうかしたのか?」


「祐一さんが殺害された日、貴方はどこでなにを?」


一人が質問し、もう一人が様子を伺う…なんか嫌な感じの連中だ。

まぁこんな感じの連中が、刑事に向いてるんだよな。実際刑事だし

「あの日は……」


ぜんぜん覚えてませんよ。


毎日同じことの繰り返しだからなぁ、そういちいち覚えてないっての。


「答えられませんか?答えられないと、ちょっと困ったことになりますね」


「困ったこと…とわ?」


俺の飼ってるハムスターを保健所送りにするとか?動物愛護団体が黙っちゃいないぞ。


「………………」


俺の問いを、刑事たちは黙殺する。


そして俺を尋問していた刑事は、もう一人の刑事の方を向いて軽く頷いた。


「えぇ、分かりました。詳しい話は署の方で聞きましょうか」


「は?」


ふざけるなよ犬野郎。国民の権利なめんなよ。


「倉冨正志―。猟奇事件の重要参考人として、署まで動向していただきます」


国民の権利も、国家権力の前では廃法同然らしい。




「動向ね…」


連行の間違いだろ?



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