relations 26

るぅ  2007-04-04投稿
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「お待たせ!」

化粧室から出て来たユカリは、まったくいつも通りだった。

華やかな笑顔で、涙のあとなんて少しもなくて……

だから、泣いていた理由を―――聞けなかった。


「次はどこ行こっか。」

向けられた笑顔が、なんとなく痛い―――\r


無理してるんだろ?


俺にだって、そのくらいわかるんだよ。


本当はさっきの泣き顔も、俺に見せる気なかったんだろ?


ユカリは………誰の前で泣くの―――?


ギュッ



気付いたら、ユカリの手を握ってた。


強く強く、包み込むように……離れないように。



ユカリは驚いたみたいだけど、何も言わず握り返してきた。


そのまま二人、街を歩き出す。


聞きたいことはたくさんあるのに、言うべき言葉が見当たらない。

青空のした手をつなぎ、黙って歩きつづける俺達は―――どう見えるのかな。


普通の恋人同士に見えてるのかな。


見えてたらいいなんて思う俺は、どうかしてる。


「あっ!」

不意にユカリが立ち止まった。

「なに?」

「プリクラとろう!!」

「は?」

ありえねぇ!

「絶対やだ!」

「やだ!」

「あ?」

「やだったらやだ!とるのっ!!」

マジかよ……。

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