仕事が終わり家に帰ろうと歩いていた
すると彼女からの着信音が
あわてて携帯をでてみると
「ごめんお父さんが絶対にあなたとの結婚を認めないだって」
彼女は電話越しに泣きながら僕に伝えた
僕も分かっていた
どうせ叶わないことも彼女の父親が厳しいことも
しかし話せば分かってくれると信じていた
その望みが甘かった
僕の父親は母親を殺して服役中
僕も分かっていた
結婚できないことくらい
だから最後に彼女へ言葉を捧げた
[僕が今見てる夜空は昼間に見える空と違って混沌としている
君はでてくる世界が間違っていたんだ
僕はこの世界の人間だから君とはつりあえないよ
でもこの空みたいにしがらみや過去を干渉しない世界で君と会えたら
そのときは結婚しよう]