僕の祖父が産まれる前からあったらしい桜の木。
ずいぶん 長生きしたらしく、年々咲かせる桜の花が少なくなっていた
どんどん命が弱くなっていくのを、僕は感じた
しかし 去年の春、
木は今まで 見たことないくらい見事な桜を咲かせてくれた・・・。
僕に この木はまだ生きている。そう思わせるには充分だった、
だが、桜の木は長くは生きてくれなかった。
桜が散ってすぐに 木は伐られてしまったのだ・・・
もしかしたら、
桜の木は
命が絶たれることが解っていたのかもしれない
だから 最後に魅せてくれたのだ、
最高に綺麗な桜の花を
僕は 桜の木の切り株に向かって呟いた。
「 サヨナラ 」