HERO 5

探闇  2007-04-05投稿
閲覧数[524] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「ハァ、ハァ」

健次と智明は息を切らせながら屋上まで上がって来た。

「どうなってんだよ松尾の奴」

智明が息を切らせながらいった、

「ああ、信じられない...」

健次は人形の事は智明にはいわなかった、人形のせいであんな強くなるはずない、自分にこういい聞かせていた。

「とにかく先生か警察来るまでここにいようぜ、血なんて見たくないし。」

健次が呟いた、

「あいつ、死んでたよな?」

「多分な...」

「だけどさ、散々松尾をいじめてたし、やり返されてもしょうがないんじゃないかな?」

「何いってんだよ健次!正気か!?いくらいじめたといっても殺していいわけないだろ!?」

智明は健次の言葉に耳を疑った。

やがて警察のサイレン音が聞こえて来た、

「健次!ほら!警察来たぞ!」

二人は屋上からパトカーを見下ろす、

「もう戻っても大丈夫だろ、教室に戻るか?」

智明が健次に問いかけた、
「そうだね、戻ろうか」

健次が、屋上から下へ続く階段のドアに手をかけたその瞬間!

「バキ!!」

ドアが吹き飛び、ドアに手をかけていた健次も一緒に吹き飛んだ。

「松尾!?」

そこには返り血を浴びて真っ赤な顔をした松尾が立っていた。健次と智明は再び恐怖に怯えた、目の前にいるのは、クラスメイトではあるが、今二人の目には人殺しとしか写っていない。健次は怯えながら沢山の事を考えた、

(何故屋上に?)
(復讐?)
(いじめられてるのをとめなかったから?)
(嫌だ、死にたくない)

怯える健次と智明をよそ目に、松尾は屋上の手摺りを乗り越えた。
さすがに、今から松尾がとるであろう行動は、誰でも一目で分かった。すると智明が

「やめろ!いくら人殺したといっても自分まで死ぬ事はないだろ!?」

「...いいんだよ、僕はもう人生に満足した」

すると健次が、

「松尾...人形..のせいなのか?」

松尾が驚いた顔をして、

「健次君も知ってるんだ、この人形...あげるよ!これ身につけてたら死ねないし...」

松尾はベルトから人形を外し、健次に投げやった。健次が人形をキャッチして、松尾に目をやると、既にそこには松尾の姿はなかった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 探闇 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]
綺麗になりたい!
モテたい!ならコレ


▲ページトップ