ドアを開けた俺の前に立っていた女は、俺と同じ位の歳に見える。多分新人だろう。よく見ると、かなり可愛い顔をしている。
「始めまして。今度先生の担当になった、西野あゆみです。」
と緊張した顔で名刺を出してきた。
俺は少し上機嫌になりながら、
「よろしく。早速だけど、部屋の掃除を頼む。汚ないとやる気が無くなるからさ〜。」
と俺は前の担当者と同じ態度で彼女に言った。
「え?ちょっと待ってくださいよ。何で私が先生の家の掃除をしなきゃいけないんですか?」
「担当者が作家の手伝いするのは当たり前だろ?」
「手伝い?それじゃただの家政婦じゃないですか。そんな事より、早く書き終えちゃって下さい。締め切りも近いんで。」
と強気な態度で言ってきた。
可愛いけど生意気なやつだと思いながら俺はまた小説を書き始めた。
続く