baseball〜夏を目指して〜

導夢  2007-04-06投稿
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やや日も陰り始め、車道には昼間よりも車が溢れ、歩道には会社帰りのサラリーマンや買い物帰りの主婦、これから仕事であろう着飾った女性達。様々な人間が様々な人生を歩んでいる街で、二人の高校生が道を歩いていた。

「いよいよ、明後日は決勝戦だね。雄二」
雄二というのは俺の名前。名字は海原。皆川高校2年の17歳。
そして、野球部のエースだ。…まぁ、エースと言えば聞こえはいいけど、実力で勝ち取った訳じゃない。
本来のエースは先輩の3年生にいるけど、県大会の初戦で肘を痛め、俺が代役として投げてきた。
そして、雄二と呼んだ俺の隣にいる女の名前は森下唯。野球部のマネージャーをしている。
唯とは中学から同じ学校で、同い年。初めて会ったのは野球部のマネージャーとして入ってきた中2になってから。
1年の時はバレー部だったけど、人数不足で廃部になり野球部のマネージャーになったという訳だ。
しかし、皆川高校ではバレー部があるのだけど、何故かバレー部には入らず野球部のマネージャーをしている。その辺を本人に聞いてみてもウヤムヤにされる。「ちょっと!聞いてる?」
「あ、あぁ。ちゃんと聞いてるよ。決勝戦だろ?」
「そう。勝てば久しぶりの甲子園出場なんだから」
明後日は県大会の決勝戦。
通っている皆川高校の野球部は、昔は甲子園の常連校だったが、ここ数年は一度も甲子園出場を果たしていない。
だから、古豪復活を合言葉にこれまで頑張ってきたんだ。

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