失墜…その前 ?

無限地獄  2007-04-06投稿
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病院の個室で機械で管理され、死を待つひとりの人がいた…

最期に言った一言は水

看護師に尋ねたが、もう水さえ与えるのが難しい…コットンに含ませた水を唇に押し付けて、数滴の水が喉に流れた…小さくコクッて音がして飲めたのを感じた

もうすぐだから、もうすぐ逝けるからね

辛かったね、お空の向こうで愛する人が待ってるからね…

心の中でそう叫んだのはそれから数時間後…

手を握っても握り返してこない、コンコンと深い眠りに落ちていくようだ

モルヒネ適量を体に流し込む機械のおかげで苦しむ姿は看ずにすんだ…もうすぐ終わりがくる、確実に…

身体中に広がった癌細胞が、体の機能をストップさせるまでに後2日もなかった

この不可解な愛する人とやっとお別れだ

流石に涙が出てきた、悔し涙、なんでわかりあえないまま死んじゃうんだ…

あんたの本当の心は何処にあったんだ?

家族が憎いとしか思えない数々の行動が頭をかすめた

死んでくれ…
お願いだから死んで、
そう思わせるあんたっていったい…

(続く



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