蛍-ホタル- 18歳-春-

honoka  2007-04-07投稿
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私は蛍…
夜の世界でしか光れない
私は蛍…
暗い世界でしか輝けない

高校卒業して就職せず
福岡の歓楽街"中洲"に勤めている
高校時代にバイトしたけど1ヶ月続いたか記憶が微妙なぐらいだ
だから、夜の仕事しかしたことがない
自意識過剰だが小さい頃から「カワイイ」と言われて顔には自信があった
夜の世界に入ったのもスカウトされて悪い気がしなかったからだ
思春期の頃から独立心が強く早く一人暮しがしたかったのもある
その夢を叶えるには金銭的にも夜の仕事が手っ取り早かった
母が田舎でスナックをしていた頃があって
夜の世界に抵抗などなく憧れさえ持っていた
友達にも
「将来、夜の仕事してそうだよね〜」なんて
言われたりもしていた
私が夜の世界で働くことは決まっていたのかもしれない

まず、スカウトの人と話すために待ち合わせ場所はミスドだった
「どんな店で働きたい?」
「どこでもいいです」
「…ぢゃあ、同じ歳の子が多い店にしようか?
その方が初めてだから働きやすいだろうし。」
「はい、お願いします」

スカウトの人に連れられて店まで行った…
初めての中洲の大通りは昼過ぎだったので、まだネオンもなくて
出勤前のホステスと買い出しに出掛ける黒服と案内所のキャッチしかいなくて人通りが少なかった
「こんなもんなんだ…」
なんて思ったのを今でも覚えている

初めて行った店は狭くも広くもなく壁が鏡ばりだった
奥のテーブルに座って面接が始まった。
初めての私には、良いも悪いも分からなかったから店なんて何処でもよかった…
落とされるなんて考えてなかったし、店側もそうだったみたいであっさり採用が決まって面接は短時間で終わった。

面接してくれた人と世間話しをしていると1人の男性が、そのテーブルに座った…
「頑張ろうね。」
ニコっと笑った男性は、その店の店長だった
後になって聞いた話だが面接の時に店長が来るのは珍しいらしい…
早い話しが私は気に入られたのだ

私は高校を卒業したばかりの春に
期待の新人として
九州一の歓楽街"中洲"で
働きだしたのだ

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