力也は買って来たコンビニ弁当を食べる前に留守番電話を確認した。
「11:20。電話がありました。非通知です。メッセージがあります。」
力也はメッセージを再生した。
「この悪魔!!我々天使に災厄をもたらす存在!!お前などミエカル様の正義の…」
『またかよ・・・今度から非通知は拒否しよう・・・』
力也は最後まで聞かずにメッセージを削除した。
力也は黒い天使の翼のせいで様々な迫害を受けてきた。生物学上、力也は白翼人である事には間違いは無いが黒翼人を連想させるその黒い翼は人々からは迫害の対象となる。
そして同時に白翼人が信じる『ミエカル教』の信者からは目の敵にされている。先程の電話も恐らくは狂信的なミエカル教信者からのものだ。そして何度か力也はミエカル教信者に襲われた事もある。その度力也は相手を返り打ちにして実害はゼロだが。
「11時30分。電話がありました。電話番号は03‐××××‐〇〇〇〇。メッセージがあります。」
力也はメッセージを再生した。
「田村だ。黒川。悪いが大至急社に来てくれ。第一級任務だ。」
低い男の声は酷く慌てた様子だった。
『第一級任務か・・・昼飯食って無いけど仕方が無いか・・・』
力也はスーツに着替えて黒い翼を隠す為のコートを着て家を出た。