うそつき(03

ちぃ  2006-02-02投稿
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シュウジの家を出ると軽く雨が降っていた。すぐ止むだろうと思って歩き出す。
雨がどんどん私を濡らす。予想に反して雨足が強まってきたみたい。

制服濡れちゃうな…。

私の頬を水が伝う。
雨が冷たい。
でも私は気付いてる。
頬を伝う雨に混じって
涙が流れてることを。


シュウジの骨張った男らしい手が好き。
ふいに見せる優しい目が好き。
キスのときの挑発するような目も
ベッドの中での掠れた声も
全部すきだよ。

それは全部私のものじゃないのにね。

いきなり「もう会わない」なんて、シュウジどう思ったかな?驚いてたけど、引き止めようとはしなかったよね。
つまり、それが答えなんだ。


雨が降ってくれて良かった。泣いてても周りにバレない。でも、さすがにこんなずぶ濡れで歩くのはちょっと恥ずかしいな。もう少しで大きな通りに出る。そしたらタクシー拾って帰ろう。

そんなことを考えてたら

突然左手が引っ張られたのに驚いた。

と同時に

シュウジの腕が私を包んだ。



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