なにも食べたくない。 なにもしたくない。
彼が居ないなら。
彼が家を飛び出して、一週間…。眠れない。
彼から電話が来たのゎ、家を飛び出して、二週間目になろうとした日だった。今も鮮明におぼえてるよ。
プルル〜プルル〜。家の電話がなり、私ゎいそいで子機をとり、期待と不安が混ざりあった声で、「もしもし?」と呟いた。少しが間があってから「もしもし、しょう?」
胸が苦しくて泣きそうだ。ずっと聞きたかった彼の声。
「なんで帰って来ないのよ?ずっと待ってるんだよ。」
泣きだしそうなのを、グッとこらえた。今泣いたらウザイって思われる。こんな時まで頭ゎ冷静だ。
「ごめん、俺も色々考えてたんだ。なんか、酷い事してごめんな。まだ怒ってる?」
私ゎ明るく答えた。 「怒ってないよ、私もごめんね。仲良くしよう。早く帰ってきてよ。」
すると彼が「明日仕事終わったらまっすぐ帰るよ。」と言った。
なんで? 頭で思った事がつい口にでてしまった。
「今日帰ってきてよ。一人じゃ寂しいよ。なんで明日なの?」
「今日ゎ実家の親と焼き肉食べに行くから。」
返す言葉すらない。実家の親ゎ一週間以上も家に戻らない息子をなんとも思わないの?
いつの間にか電話ゎ切れていた。
きっともう修復なんてできなかったんだね。きっとあの時からできなかったんだ。でも誓いあった2人だから。あの時の私ゎ神を信じてたのかな。もっと話あえばとか…子どもが生まれればとか…見えない期待を一人でバカみたいにしてたんだ。
彼がまた普通通り帰ってくるようになり、また普通の生活が戻った。相変わらず、重い物ゎ持たない。でも、私ゎそれでも良かった。彼が居れば。何気なくお腹を撫でてくれる彼がいるから。幸せだったんだ。
妊娠7ヶ月の終わり頃。 あまり目立ったなかったお腹もそこそこ目立ってきて、マタニティーもさまになる。旦那ともなんとか仲良くやっていた。
あの日までゎ…。