今日の合コン場所はイタリアンレストランだと聞いて、昌代は迷わずブーツを履いて来た。
ところが急に、座敷のある居酒屋へ変更になった。
昌代はピンときた。
(これは、同じく彼氏のいない幹事の弘子が、わざと私の足の太さを男達に見せる為の策略に違いない)
だが、昌代にはもっと深刻な問題があった。
店へ入ると昌代はすぐさまトイレへ駆け込み、足の匂いを確認した。
今日はよく歩いたせいか、かなり酸っぱ臭い生雑巾の匂いがした。
慌てて昌代はブーツとパンストを脱ぎ手洗い場に足を上げると、備え付けの消毒液で足を洗い始めた。
ところがだ。
もう片方の手に脱いだパンストを持ちながら壁に手をついていたものだから、途中でツルッと手が滑り、見事に頭をドアにぶつけて大ゴケしてしまったのだ。
しかも、頭半分がドアの外へ出ていた。
(うえぇ〜〜〜格好悪うぅ〜〜〜 )
それに気付いた幹事の弘子が慌てて飛んでき、そしてこう叫んだ。
『キャーーッ!! みんな、大変よぉーー!! 早く昌代を助けてあげて〜っ!!』
水道の蛇口から、勢いよく水が出ていた。