その爺さんはこの基地のメカニック長だった。
「あ…どーも…」
「お前見ない顔だなどっから来た?」
「ユーラシア基地から新型機の護衛に来ました」
怪訝な目で見られたので、とりあえず自己紹介した。
「ほぅ…こんな所で何してるんだ?」
「ちょっと暇だったんで…新型機の見学に…」
そう言うと意外な答えが帰ってきた。
「お前さんどう思う?…コイツを…」
「はぁ…」
ちょっと考えたが、やっぱり正直に言うことにしよう。
「カッコいい…」
「そんで?」
「乗ってみたい」
爺さんが吹き出した。ちょっと戸惑ったが笑っていることに気づいた。
「ハハハ…気が合うな!俺もそう思ったんだ。こんないい機体、久しぶりだからな!」
いかついツラして気さくな爺さんだな。俺はもう一度新型機を見上げた。
その時、基地の緊急シグナルが鳴り響いた。…侵入者か、俺の仕事だな。
「爺さん!この新型、しっかり守ってやるからな!」
「新型じゃねぇ!コイツの名前は「サイフリード」だ!」
サイフリード…か!
帰ったらじっくり見てやるからな!
俺は待機していたG.S.に乗り込み、味方に続いて基地から出撃した。
基地上空に無数の機影が確認できた。
「旧革命軍の自律兵器か…」
人型と虫型の中間みたいなデザイン。俺はあんまり好きじゃないね…。
味方機が一斉に飛び出した。俺も遅れないように飛び出す。必死で応戦するも、機動力に優れる敵機を捉えることは難しい。
一機、また一機と味方が撃墜されていく。マズイ…どうにかしないと…!
焦っていたのかもしれない。前に出た次の瞬間、激しい衝撃が俺を襲った。