雨の中の殺人

須賀  2007-04-09投稿
閲覧数[609] 良い投票[0] 悪い投票[0]

深い眠りに落ちている朝方、けたたましくチャイムと共に、ノックの音が響く。
眠りから少しづつ現実に戻るのには、時間はかからなかった。ベッドの上の時計を見る。まだ、朝方の4時。外では雨が降っているらしく、車の走り去る音が聞こえる。
重い腰を上げ、まだ片付けていない部屋を過ぎ玄関に向かう。外は、少し暗闇から青みがかった空に変わっていた。
目の前に、薄くなった茶色のジャケットを羽織り、体の芯が細く頼りなさそうな、しかし目だけは、何かを威嚇するかのような瞳をもつ中年男性が立っていた。
「朝早くに申し訳ない。こう言う者です」
男が胸元から出した物は、警察手帳だった。
「実は、お隣の方が亡くなられているのが発見されまして…殺人の可能性があるので捜査している段階です。何か、心あたりはございませんか?」

私がここに越してきたのは、今から約4年前。今も続いている彼と暮らす為に越してきた。
築60年と、古いアパートではあったが家賃が安い事もあり、私たちはこのアパートに決めた。
今から思えば、お隣の方と会う事は、あまりなかった様に思う。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 須賀 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ