蛍-ホタル- 18歳-春- 2

honoka  2007-04-09投稿
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私は蛍…
夜の世界でしか光れない
私は蛍…
暗い世界でしか輝けない

「どんなセットにする?」
「カールアップにして下さい」
キャバクラで働く前は髪なんて友達と遊ぶ時もデートの時もストレートだった
そんな私が毎日、セットのために美容室に通ってる
もともと10代の若さもあって目元はギャルっぽくメイクも濃いかったけど、さらに気合いを入れるようになった
爪とか気にしたことなかったのにネイルサロンにも行くようになった
ピンクとかカワイイ色のミニドレスを着て
高校生の時からすると見違えるように自分がキラキラ輝いて見えた

「初めまして。お隣り失礼します♪♪」
ダウンサービスをしながらもパッチリ目で客を見つめる
見つめながら隣に座ってニコっと笑うと大半の客は「カワイイ」や、「キレイ」と言って喜んでくれた
「君、本当カワイイね。」
客が最初に褒めてくれれば私の勝ちだった
「私のこと気にいってくれたの?ありがとう♪」
そしてまた、見つめながらニコっと笑う
次のホステスにチェンジされるまでの決められた時間、特に何もしなかった
客から話しかけてくれるから答えるだけ
チェンジの時間がきて
「お願いします」
と黒服に呼ばれると
「もう行くのぉ…」
と、客から言ってくれる
「ずっと隣いるから指名して♪まだ番号も教えてないしね♪」
ニコっとまた笑うと客はあっさり指名した

「ありがとうございましたぁ〜♪♪」
バイバイと手を振りながら最後の客を見送って営業時間が終わると店長に
「頑張ったね。」
と褒めてもらえた
新人の私はまだ初めから店に指名で来てくれる客は少ないのでフリーの客に着いて気にいってもらえたら場内指名をしてもらう立場だった
ホステスの着替える更衣室には成績表がはってある
No.1のホステスは場内指名は少なく本指名で棒グラフが上に延びている
私は場内指名が多いけど棒グラフがそのNo.1ホステスと同じぐらい上に延びていった
最初の半月目で場内指名なら店のNo.1になれた
成績表を見ながら
「場内指名してくれた客にちゃんと連絡して営業して本指名で1番を目指そうね」
そんな店長の言葉はいつも聞き流して
「夜の仕事って、こんなもんなんだぁ〜」
と軽く考えていた

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