HERO 最終話

探闇  2007-04-09投稿
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「それがどうかしたか!?俺は悪事の為にこの力を使ってないぞ!俺が倒して来た奴らはみんな悪い奴だ!」

村田は吸いかけのタバコを捨てて健次にいった

「そうだね、今までの奴らはね...だが今君はその力で誰を殴った?」

健次の顔がみるみる青ざめていく、

「俺は悪人じゃない、むしろ仕事も警察という立派な正義を守る仕事だ」

「もし、ルールを破ったらどうなるんですか!?」

「死ぬよ...残念だけど」
「嫌だ!死にたくない!お願いです!助けて下さい!」

健次は必死に村田にしがみつく。もみ合っているうちに、健次の人形がどんどん大きくなって来た。やがてはほぼ人型になり健次の腕を掴む、

「健次君、残念だ、さようなら」

「嫌だ、死にたくない!俺は悪い事はしていない!」

人形の腕が健次の心臓を貫く、健次は薄れゆく意識のなかで呟いた、

「俺がこの世のHEROだ..」

「残念だ...」

村田が健次をみとった後、人形が村田に向かって喋り出した。

「いつまでこんな事をするのですか?」

村田が新たにタバコに火をつけた、

「さあな〜もうこいつで何人目になる?」

「今回で44人目です」

「ありゃ?それは縁起が悪かったね〜」

「本当に本質が善の人間なんていると思いますか?」

「そいつを見つける為にやってるんじゃないか〜!力に溺れず、本当に善良な心持つ奴を見つけるまでは実験は続けるぞ。」

「分かりました、マスター」

人形はみるみる縮んで元のサイズになった。村田は健次の死体には目もくれず、車で走り去った。

人間の多くは善良な人だと思う、しかしそれは幼い事からの教育の中で無理矢理覚えさせられた「善」であるのではないか?ゆえに、力(腕力、権力、財力)に溺れた人間は崩れやすい。人間の本質は「善」か「悪」か?あなたはどちらだと思いますか?

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