BLACK ANGEL&WHITE DEVIL 5

龍角  2007-04-09投稿
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18時20分。

千代田区、帝都ホテル。

帝都ホテルの屋上で力也と同僚であり高校の同級生でもある白翼人の佐藤源氏と警備をしていた。

「あーあ。『属性表示法』なんて法律無ければいいのになー」

属性表示法とは公務員、半国営企業社員、メディア・報道関係者、出版社員は勤務中は白翼人、黒翼人、人間を区別するために背中に穴が開いた服を着なければならないという法律である。力也は仕事では仕方無くこの法律に従い翼を出しているが日常生活で外出する時や出勤する時はコートなどを着て翼を隠している。
「そううなだれるなよ。確かにこの法律は差別的な感じがあると思う。だけど国もスパイ防止の為に必死なのかもしれない…それにこの法律、世界中で施行されてるってのもあるしな。」

「事流れ主義って奴かねー全く。もしそんな理由なら今会合してるお偉いさん共に文句言いたい位だよ。」
力也は哀愁を帯びた表情で言った。
「元気出せよ!!人は見た目が全てじゃ無いんだからな。それにお前の事を悪魔だと思う奴は特一にはいない。みんなお前を頼りにしてるんだぞしっかりしてくれよ。」

そう言うと源氏は力也の背中を叩いた。

「判ってらぁ…そんな事…」

力也は少し照れ臭い様子で言った。
そして敵は現れる事も無く時は過ぎて行った。時刻は現在20時30分。

「魔力捕捉レーダー以上無しか。結局は誰かの悪質なイタズラだったんじゃ無いか?」

超小型パラボラアンテナと繋げられたパソコンの画面を確認しながら源氏は言った。

「大体俺達は護衛とか警備より暗殺とか壊滅作戦をやる方が多いってのに…これじゃあそこらの警備会社とか下っ端がやる事じゃねえかよ…加部さんは心配病だな。」

力也と源氏は正直暇でしょうがなかった。普段、生きるか死ぬかという仕事をする彼等に取っては警備ほど刺激の無い仕事は無かった。26歳の二人は尚更である。

「早く帰って飯喰いてー」

源氏はうんざりした口調で言った。
「同感だ…マジ寒いし!!それに今日10時から8チャンで…ありゃ何だ!?」

力也はこちらに向かって来るヘリコプターの存在に気が付いた。しかもコンテナをぶら下げている。

そしてそのヘリコプターはホテルの真上でコンテナを下に降ろし足早に去って行った。

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