ヤス#31

チャーリー  2007-04-10投稿
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ヤス#31
「ほほっ、そうですか。良かった。嬉しいです」
ヤスはアイの姿を見つめた。この姿なら…連れて帰る事にした。
「アイ」
「はい、何でしょうか?」
「俺の家に来るか?飯を炊いてくれるよう、母に頼んでやる」
「お優しいお言葉…ありがとうございます。でも、ご迷惑では?」
「俺を信じないのか?」アイが掌を口に当て、クスクスと微笑みながら立ち上がった。死体に思えた時は、自分とそれ程変わらないと思っていたか、アイの方が遥かに上背があった。
「歩けるか?…辛いなら手を貸すぞ」
「お優しいですね。もう、大丈夫のようです」
アイが更に美しくなったような気がした。年の頃は十五、六といった所だ。ヤスの頬が少しだけ赤く染まった。「ハヤト!帰るぞ!…アイ、ついて来い」
「ウワン!」
「はい」
ヤスは帰路についた。岩場を縫いながら歩いて行く。いつもは先頭を行くハヤトだが、アイと一緒に後ろからついてくる。ハヤトはアイの側を離れようとしなかった。
ようやく農道に出た。ここからは楽に歩いて帰れる。
民家か見えてきた。途中で何人かの島の人間とすれ違ったが、誰も一行を気に留めていない風だ。ヤスは不思議に思った。



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