Have the option 1

PEACE  2007-04-10投稿
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「あれ…」

ここは病院の一室のようだ。

「修ちゃん…」

幼なじみの都がいる。父も母も。弟の良平も。そして…頭に包帯を巻き眠っている男…

「俺…?」

修平は修平を見下ろしている。まだ、事態を呑み込めない。
都のすすり泣く声が聞こえる、そして…
「…めだ…渡せない…」

聞き慣れない声…
声というか音というか…


修平は生死の境をさ迷っている。修平は都立の高校に通う高校3年生。サッカー部に所属している。高校生活最後の大会が迫り、いつも以上に激しい練習の毎日だ。

その日、いつもの様に川沿いを自転車で走り帰路の途中、死角から出てきたバイクに跳ねられ、全身を強く打ち、そのまま川に放りだされたのだ。

そして、今に至る…
「俺…死んじゃったのか…?」

ベッドに横たわる修平の顔には、全く生気が感じられない…
ベッドの横に見える様々な医療機器、バイタルは微かに波打っている。どうやらまだ、微かに息は有るようだ。

病室の中でもない、外でもない、まるで…この世界には存在すらしないような…ある種の異空間からでも聞こえてくるかの様な、あの声…

「渡せない…そちらには…必要…」

「何を…事の規模…し

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