私には、自慢の兄がいた。勉強も出来て、優しくてスポーツも出来て、カッコいい兄だった。母、父、兄、私(一ノ瀬 真弓)の4人家族。仲の良い友達の様な、幸せな家族に悲劇が起こった―\r
8月23日
兄は、高校3年生。私は、中学1年生。共に、夏休みだった。
そんな、いつも通りの夏休みに兄は死んだ…殺されたのだ…
高校生によるリンチにあい、私は最愛の兄を失った…。
母と父は、意識を持たない人形のようになった。私は、少しでも明るくしようと、頑張って笑った。
でも、そんな私を見て母は、「お前が、生きてて…どうして勇樹(兄)が死ななくちゃ、いけないの!!」と、泣いていた…
それから、1年後―\r
父と母は離婚し、私は中学2年生になった。
「行ってきます。」
私は、学校に行く。母は、何も言わずに玄関を開ける。
あれから、母とは上手くいかなくなっていた。母にとって、私より兄が大切だったのだと、痛い程に分かったから…
学校の近くに新しいコンビニができた。
「いらっしゃいませっ」
明るい声の定員に、まだ新しく綺麗なコンビニの中に、1人、品出しをしている男性がいる。他の定員に、遅いとどやされながらも、一生懸命に頑張っている男性の後ろ姿を見ていた。
男性は、こっちを何気なく振り返えり、ニコリと微笑んだ。
それが、彼との悲しくも、いとおしい出会いだった… 続く