うそつき(04

ちぃ  2006-02-04投稿
閲覧数[417] 良い投票[0] 悪い投票[0]

何が起きたのかわからなかった。
ただ私を抱き締める温もりと雨の音だけがリアルだった。

「……んで…なんでいきなり別れんだよ…」

息をきらしたシュウジの声。
そうか、シュウジが私を追いかけて来てくれたんだ…。

「オレなんかした?なんかダメだった?」

なんで?
なんでそんなこと言うの?
私なんかただの浮気相手じゃん。
そんなこと言われたら勘違いしちゃうよ。
…期待させないでよ。

「…シュウジは何もしてないし、何もダメじゃないよ。…私がもうダメなんだ…」

さっきまでの雨の冷たさが消えて、代わりにシュウジの体温を感じる。
もうこれだけで満足だよ。
シュウジが追いかけて来てくれた。
そして抱き締めて、私との別れがイヤだって言ってくれてる。
もう充分しあわせ。

「なに?なにがダメなの?なんかあった?」

体を離して私の顔を覗き込み、心配してくれてる。
なんか…もういいや。
胸がいっぱい過ぎて苦しい。

「私…シュウジに嘘ついてた」

苦しみから解放されて楽になりたい。

そのためには
シュウジに告白するしかないんだ。

いつの間にか雨は止んでた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ちぃ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ