人の気持ちは常に変わっていく。良くも悪くもある。そういった中で変わらないものが真実だと私は思う。
フミと3年ぶりにできたたわいもない話。ほんの少し前までは一生できないと思っていた。
私は変わった。でもフミはもっと変わったんだ。
今から7年前の秋。
私とフミは出会った。私が20歳。フミは19歳。同じ街に住んでいるけど、隣の学校の同級生だった。
リニューアルオープンしたお店に新人アルバイトとして、私たちは出会った。
フミの第一印象。
細い。
目が小さい。
よく喋る。
せっかち。
左目の下の泣きぼくろ。
失恋したてだった私はその爽やかな笑顔に惹かれることはなかった。むしろ、何かと私に声をかけてくるフミを疎ましく感じていた。
失恋を乗り越えた頃は、免許が欲しくて毎日バイト三昧の生活を送っていた私。
その一方で少しでも私に近づきたかったフミ。私は全くその気持ちに気がつかなかった。
私は男の子と付き合った事がなかった。中・高は女子校。大学はほとんど女の子という環境の中で、男の子と上手に接する事がわからなかった。
私は自分に自信がなく、良くしてくれる男の子にはいつも疑問を抱いていた。フミはその一人で、からかわれていると思っていた。