龍華に連れられて、建物の外に出る。
「お〜い、じゃあ、2人とも右肩出してー」
「はぁっ?」
「しょうがないじゃないか。これ書くんだからよー」
龍華が言う。
「何ですか?それ」
「これか?まぁ、いいから。啓吾肩出せ」
龍華、啓吾の右肩に『力』と書く。
「あっ?なんだこれ?」
「ん〜っ・・・まぁいいから。その枝持ってみー」
啓吾、太い枝を持つ。
「で、それを軽くでいいから、握ってみ」
「あっ?こぉか?」
と、言って軽く枝を握ると・・・――――。
「あぁっ!!!」
軽い力なのに、太い枝が粉々になったのだ。
「な・・・なんだよこれ」
龍華は、怜の肩には『電』と書いた。
「この墨は、『グラント』と言って、軽犯罪者に力を与えるために作られた物だ。これを体の一部分に書き込むと、その力は現実化する」
「じゃあ、この『力』を活用して、『ハイト』からのミッションを成功させろってわけですか?」
「ま、そんなもんだ」
「けどよ、こんなもんを書き込まれたら、生活にも支障がでるんじゃねぇのか?」
「あぁ。だから力をセーブしなきゃいけない」
「大変・・・・」
龍華、話を続ける。
「ホントは、これ・・・焼きこむんだぞ?」
「えっ・・・・・」
「や、焼きこみ・・・・・・」
啓吾と怜、顔をしかめる。
「っていっても、御前らは未成年だからこぉやって書いてるんだ」
「なんだよ・・・ビビった」
「ま、せいぜい力を調節するのにはなれないとな〜」
龍華、建物の中に入っていく。