『私達ってさ、結局別れるんだょね。』
悲しい目でこちらを見ながら彼女はそういった。あの頃の僕には、彼女のコトバが理解できなかった。あの時、彼女のコトバを理解できていたら、今とは違う未来がまっていたのだろうか。。。
彼女と僕が出会ったのは今から2年前の春。1人で日誌を書いていた僕に彼女が話しかけてきたんだ。初めての彼女のコトバは『私の遅刻取り消してくれない?』だった。僕らの学校の遅刻は日誌に書いてあるものを見てつけていたから、彼女は僕に話しかけたんだ。僕は彼女が嫌いだった。遅刻がいやなら、早くくればいいじゃないか、僕はそう思っていたんだ。でも、違った。
それからしばらくして登校中の僕は学校とは反対方向の道を重そうな荷物を持って歩いている彼女を目にした。自分で言うのもなんだけど、僕は真面目な生徒だったから毎日必ず7時30分には学校に登校していた。だからこんな時間に毎日遅刻してくる彼女がここにいるのはおかしかった。僕は彼女を追いかけて何故ここにいるのかと聞いた。彼女は母親のお見舞いに毎朝、隣町の市立病院にかよっていて遅刻していることを僕に話してくれた。彼女の遅刻は彼女のせいではなかった。僕は彼女のことを誤解していたことを知った。
それからの僕は積極的すぎるほどに彼女に話しかけるようになった。彼女は少しかわっていた。彼女と話していると僕はとても暖かく、幸せな気持ちになることができた。