あまりにも優しいちい
ヒロは甘えていた
いつも笑顔で、子供のような彼女
気付くはずがないと思っていた
ぼくには遊び相手の女の子が何人もいること…
「ほかの人に触れた手であたしに触らないで」
ちいからの突然の言葉
やっぱりちいも女なのだ
勘がするどい
今までも別れそうになった事はある
育ちが違いすぎると、彼女が自分を卑下し、泣くからだ
小さいながらも、我が家は会社を経営し、ぼくは時期社長の座が決まっている
彼女の両親は離婚し、彼女自身、親の借金に苦労している
それをいつも気にはしていたが、いつもぼくを思っての別れの言葉であった
だから、説得すれば、ぼくには止められた
だが、今回は…本気だ
ぼくは、遊んではいたが、大切に思うのは彼女しかいない
謝り、話をし、彼女の不満も聞き入れ、なんとか、許された
こんなにいい彼女は他にいない そんな事はわかっていた
夜遅くまで事務所にいるぼくに、夜中にわざわざ車で夜食を届けてくれる事もあった 忙しい時は、朝そっとスタミナドリンクをぼくの車の横に差し入れてくれた