25の冬? ※ノンフィクション

シン  2007-04-13投稿
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彼女は、優しさを残していきたかったのだ

彼女が倒れてから10日間、ぼくは毎日病室へ通った 日に日に弱っていく 最後の3日間は、握る手を握り返してもくれなかった
夜には涙が止まらなかった
最後の時、彼女のお母さんの配慮により、彼女を抱き締めていたのはぼくだった 医者が最期を告げた時 やっぱり信じられなかった 実感がわかなかった
童顔の彼女は本当に少女のようで、いつまでも暖かかった…

しばらくして、彼女からメールが届いた
死期を悟った彼女が、生前、日時指定で作っておいたものだった
『あなたと会えて あなたといられて幸せだった 幸せをありがとう 悲しみだけを残して逝ってしまう事を許してほしい 今年いっぱいはちいを想っていてほしい そして、来年になったらちいの事は忘れて、ヒロくんの幸せを見つけて』といった内容だった
涙があふれた
ぼくが彼女に幸せを与えることが出来たのか… ぼくは、彼女の優しさに与えてもらったものの方が大きかった気がする
もう一度、彼女と出会い直したい そして、今度こそ誰よりも彼女を幸せにしてあげたい
何も望まない どんなわがままもきいてあげるから、ぼくの元へ戻ってほしい

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