アイスは、夜空を見ていた。
今夜は、曇り空で星が見えにくい。それでも、アイスは夜空を見ていた。
泣きながら。
なぜ泣いているのか自分でも分かっていない。夜空は、そんなアイスの涙を隠すためなのか、雨を流した。
アイスは、その夜空の涙を頭から、シャワーのように浴びた。雨と共にアイスは涙を、地上に落とした。
地上に落とした涙は、誰にもしられない。ぽろぽろと、落としているのに、気付いてくれるものはいない。しかし、地面は感じている。アイスの謎の悲しみと夜空の厚意を、ひしひしと。
ひとしきりアイスは涙を落とし、再び、夜空を見た。一筋の流れ星が流れた。少しだけ、アイスは幸せになって、地上に降り立った。
自分の涙が落ちた場所を探していたとき、アイスは、金色の小石を見つけた。その小石に惹かれたアイスは、それとともにベッドに入り、次の日を迎えた。
アイスはびっくりして起きだした。夜に拾った小石が無くなり、代わりに、小さな小さな、羽根のはえた小鳥みたいなものがいた。それが、アイスの未発達の小さな胸の上で、跳ねていた。
アイスが起き出すのがわかった、鳥らしきものは「キャイ」と鳴いた。
これが、アイスとテイルの出会いだ。旅が始まる。続