暇の潰し方7

あこん  2007-04-14投稿
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新聞部ですがいいですか?
「新聞部が、私に何の用なの?」
笠木広人くんの幼馴染で、日下部佳奈理さんの友人、高崎美玖さんですよね?
「ええ、間違いないわ。」
あの二人について取材をしたいのですが。
「いや、クラスの新聞を作るわけじゃないのになんであの二人を?」
ないんですよ、ネタが。
「は、はぁ。」
先月末くらいからですか、あのお二人がよく一緒に行動するようになったのは。
「よく知ってますね。」
校内であの二人の奇行を知らない者はいませんよ。だから我々も記事にしようと思ったのですし。
「…まぁ最近ヒロはなにか色々とやってるみたいだけど。」
例えば次は何をするとか聞いてませんかねぇ?
「いっつも二人でこそこそしてるから流石にねぇ。」
そもそも、あの二人はどういう関係なんです?
「…え?」
付き合ってたり?
「え、えぇ!?」
ふむ、もっと情報を集める必要がありそうですね。
「…。」
では高崎さんありがとうございました。またお願いした時はよろしくお願いします。

「というわけでヒロ。」
「どういうわけだ。」
昼食時、珍しくミクの方から俺のところへやってきた。
「なんであんたがカナちゃんとあんなに仲がいいのか、それを事細かに説明なさい。」
仲がいいのか、あれが。俺が一方的に振り回されてるだけな気がするのだが。
「やっぱこのブランドのあんぱんは最高だな。」
「人の話聞いてる!?」
「餡が甘くてたまらん。」
「食うのをやめなさい甘党!」
ミクは俺からあんぱんを奪う。
「か、返せ!」
「じゃあ教えなさい。」
「教える教える、なんでも教えちゃう!」
「よし、まずは教えなさい、あんたとカナちゃんが仲良くなるきっかけからよ。」
広人はミクに今までのことを話した。
「…でいいのにな、RPGなら。」
「なにをわけ分かんないことを。」
「…あいつはな、暇になると死んでしまう成分でできててだな。」
「ん、まぁそれは噂でちらほら。」
「っていうかお前いつもあいつと話してるだろ。聞いたりしなかったのか?」
「あの子、前しか見てないから過去の話はしないのよ。」
かっこいいな、それは。
「そうだな…一言で言えば俺は巻き込まれてるだけなんだな。」
「…え?それだけ?」
しみじみとした俺と、呆れるミクの背後に、前向き暇人少女が近付いてきた。
嫌な予感。

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