航宙機動部隊第二章

まっかつ  2007-04-15投稿
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銀河元号二一八八年・帝国紀年六七年―\r
既に圧倒的な物量と経済・技術力で、帝国に対し優位に立った筈の星系合衆国《ユナイティド=システムズ》最外縁征討軍内の雲ゆきが新年を迎えた途端、おかしくなり始めていた。
元々素行の悪さで悪名を馳せていた星間諸侯太子党がハメを外し、本来の狂暴さの赴くままに、合衆国軍旗艦《D=カーネギー》内で乱行を繰り広げ、共和国宙邦《グルン》から派遣されていた観戦武官リク=ウル=カルンダハラの目の前で、抗議した青年二人を射殺してしまい、更に、許可もなく惑星パレオスに降り立って、大勢の民間人を連れ去ってしまう。
これに激昂したパレオス世論は沸騰し、合衆国軍に救援を頼んだ星邦議長ペアリーノ=グィツチャルディーニ氏の政治生命は危うくなり、急遽太子党排斥へと動かざるをえなくなってしまった。
そして彼の手はいち早く軍事大国たる共和国宙邦を見方に付けるべく、リク達にも伸びる。
彼の思惑を見抜いたリクは距離を保とうとするが、同行する国家監察官テンペ=ホイフェ=クダグニンのタレント志望を知っていた議長は、彼女にネット出演を持ち掛け、快諾させてしまう。
こうしてリク達も又、政治闘争に巻き込まれようとしていた。
一方、パレオス星民と太子党との対立を嗅ぎ付けた中央域プレスは、この絶好のネタを見逃す筈も無く、戦局を無視して剥き出しの煽り・取材合戦を始めようとしていた。
こうして、統合宇宙軍打倒を誓った合衆国陣営の連帯が崩壊の危機を迎えたのだった―



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