暇の潰し方10

あこん  2007-04-16投稿
閲覧数[296] 良い投票[0] 悪い投票[0]

俺の和菓子を日下部佳奈理の魔の手から取り戻すべく、隠し場所のヒント『普段は見ない場所』の解読に挑む笠木広人と高崎美玖であった。
「考えるフリして遠い目してるんじゃないわよ。」
和菓子は元々俺の物、それを隠したのは日下部、全く関係ないのにこの暇潰しに参加するミク。
そうか、俺からあんぱんを奪った罪滅ぼしなんだな?
「ふふふ、宝探しなんて何年ぶりかしら。」
いや、単に楽しんでるだけぽい。
「で、ヒロ。わかった?」
「少しは考えろよお前!?」
兎も角、ちょっと本気で探すか。食い物の恨みは恐ろしいぞ、日下部。
「普段見ないってんだから隠れた場所なんだろうな。」
「基本的に見たくない場所、かと思ったわ私は。」
そう読み取ることも出来るが普通なら…出題者は普通の思考じゃなかったな、そういえば。
「ちなみにどこだと思う?」
「個人的に運動場隅の石の下。」
「俺の和菓子をなんてとこに!?」
「運動部男子の部室。」
「ぬなぁー!?」
「女子じゃダメなんですか?」
「そりゃお前…。」
「だって男子なんか…。」
途中割り込んだ声は俺でもミクでもなく。
「「……?」」
「あ、ちなみに笠木くんの考えが正解ですよ。」
ヒントを残して日下部は再び、こそこそと消えた。
「…どこにいたのかしら?」
俺は答えず、数日前に世話になった避難経路図の前に立った。
「屋根裏…上級生の教室…。」
ひたすら普段見ない場所というのを探す。
部室、というのもありなのか。非常に嫌だが。
「…ふふ。」
「…ん?どうした?」
「いや、昔学校でかくれんぼしたなー、て。」
俺はそう昔ではないけどな。
「覚えてる?」
「忘れるか、俺のランドセルごと隠れやがって。」
こいつ、昔は日下部みたいなことしてたな、そういえば。
というか今になってそんなことしてる日下部って。
「よし、手当り次第探していくわよ!」
「は?」
ミクは俺の腕を痛い程握り、教室を出ようとする。
「待て、アテはあるのかよ!?」
「最終手段カナちゃんを取っ捕まえればよし!」
なんて危険な奴だ。ゲームのルールとか定石とか無視するタイプだ。
ん?定石?
まさか、な。
「ヒロ?」
モノは試しに、掃除道具入れを開けてみた。
『はずれ』
こんな紙と塵取りが降って来た。罠があるらしい。
痛む鼻を抑え、俺は紙を拾った。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 あこん 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ