ヤス#38
つい最近まで、なんとも無かったのに、このところ、何となく恥ずかしいのだ。
母の純子は小柄だが、乳房は豊かで、腰も張っている。男のシンボルがある部分にそれがないし、毛が芝生のように生えている。芝生の下に目がいった時には、顔が赤くなるのが自分でもわかるのだ。恥ずかしい。
だが、そんな事など意に介していない純子は、ヤスと一緒に風呂に入りたがるのだった。ヤスは、母の事が大好きだった。綺麗で優しい。そして、働き者である。だが、風呂に一緒に入るのは勘弁してもらいたいと、最近は思うようになったのだ。
「ヤス。体を洗いましょう」
「あ、うん…自分で洗えるからいいよ」
「あれぇ?どうしたのかなー?」
「あー、もう!洗って!」
母がクスクス笑いながら、ヤスの体を洗いだした。
「ねえ、ヤス」
「なに?お母さん」
「ありがとうね。いつも、仕事を手伝ってくれて」
ヤスは固まってしまった。そんな事をいわれるとは予想もしていなかったし、親子で面と向かって、ありがとうなどと言われた事も無い。
「そんな事…当たり前じゃないの?」
「でも、よその子は皆遊んでいるわ。ヤスは毎日お魚をとって来てくれているでしょう?ありがとう…ヤス」