ナイトウォーカー?

るい  2007-04-17投稿
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「ナイトウォーカーの僕しか知らないからね。本当の僕は…」
【ハク】の言葉が詰まる。
「本当のハクって?」私が聞き返すと【ハク】は小さな声で囁いた。
「本当の僕は…」そう言うと【ハク】はそでを捲った。
白く細い腕。月の光がよけいに白く光らせる。
…よく見るとその白い手に、うっすらとピンク色のライン。
「何か分かる?」
「ん…何かの跡?」
「うん…僕の罪を流した跡だよ」
罪を流した跡?どういう事だろう?
私は【ハク】の腕に手を伸ばした。ピンクのラインは凹凸していた。
「カットの跡…?」
「そうだよ。僕が…僕が壊してしまった事に対しての罪の跡」
どういう事だろう?
「壊してしまったって?」
「僕は…好きな物に対しての感情が人と違うから」
優しかった【ハク】の笑顔が消え、寂しそうな瞳で呟いた。
「違うって?感情は人によって違うんじゃない?」
「……僕は…僕は大切な物を壊したくなるんだ。傷つける事でしか自分を表現できないから」
いつもと違う哀しい笑顔。
壊すって…傷つけるってどういう事だろう?
その後は…お互いに無言だった。
気付くと遠くの空に色が着きはじめている。
「ハク。どうして今日は話してくれたの?」
【ハク】はいつもの笑顔で「クロと話のが好きだったからかな」
「意味分からないよ?」私が少しすねたように答えると遠い目で
「もう時間だね。また会えるといいな」
「何言ってるの?すぐ会えるじゃん」
「そうだね。クロ…あと少し時間くれる?」
「いいよ。なんで?」
私がそう答えると同時に【ハク】の顔が近付いてきた。
【えっ?何?】
そう考えた時、【ハク】の唇は私の唇に触れていた。………………
【…ハク…?……痛っ!】
柔らかいキスから、一瞬トゲが出た様な鈍い痛み。
「ゴメン…。じゃあね、クロ。ありがと。」
茫然とする私に【ハク】は別れを告げて、立ち去って行った。
【何?…何?】
意味も分からず唇に触れると、赤い色。
【あっ!血が出てる】
さっきの痛みは【ハク】に噛まれたんだ。でもなんで?私は色がつきはじめた街を歩きながら考えた。
【なんでハクはキスしたんだろい?それに噛み付いたりして】



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