ベッドの上に座り、たわいもない話で盛り上がる。ふと会話が止まった時、彼と目が合った。しかし彼は目をそらし、また話しだした。
キスされるのかと思った私は彼の行動になぜか寂しさを感じた。
さっきとは打って変わって話がはずまない。沈黙が続いてしまう。何か話さなければ...。私はこの沈黙が重くのしかかり、話のネタを頭をフル回転さして探したが出てこなかった。
「美咲...。」
「エッ...。どしたん??」
沈黙が続く。彼の顔を見つめる私に彼は何も言わず、優しくキスをした。
私も静かに目を閉じ、彼を受け入れるようにベッドにゆっくり倒れ込んだ。
「ホンマにええんか??」
「うん。ええよ。」
彼の手がゆっくり私の服を脱がしていく。生まれて初めて異性に裸を見られる事に恥ずかしさを隠せず、真っ赤になった顔を手で隠した。そんな私を見て彼はいじめるかのように服を脱がしていった。裸になった私をまるで子供をなだめるかのように優しくキスをしていく。あの時は泣いてしまったが今は違う。処女を捨てる覚悟はできている。彼にならあげても悔いはないから。心の底から大好きな彼だから。
私は女になった。こんなに痛いものだとは予想もしていなかった。痛いとは聞いていたが、ここまでとは...。彼の赤く染まった布団を私は見つめながら、これが気持ちのいいものだとは思えず、もうしたくないとさえ思った。そんな泣き顔の私を見て彼は優しく抱きしめてくれた。
その日の夜中は由梨恵と何時間も電話で話した。
死ぬのかと思うほど痛かったけど幸せな気持ちになっている。
この幸せがずっと続くと私は思っていたが、現実はそんなに甘くはなかった。
大晦日の31日。初日の出を見ようと年が明ける前に彼の母親が迎えに来てくれ、彼の家へと向かった。