「ボク」は駅のホームで泣いた…少しずつ恋のエネルギーを「女房」は満たしてくれだした。
話しを戻す。横浜から帰るとき、「ボク」は「あなた」に別々の電車で帰ろうと提案し、先に乗ってもらった。一緒に帰りたかった…「あなた」が「ボク」の肩に寄りかかって眠ってほしかった。家に帰宅した「ボク」はすぐにメールをした。たしか…
『今日は本当に楽しかったです。また違う所へ行きましょう?その時は手を繋ぐと思うのでその時は逃げてくださいε=┏(; ̄▽ ̄)┛』
「あなた」は
『また出かけましょう?今度は鎌倉に行きたい!私は逃げませんよ?』と返信がきた。
鎌倉に行く当日、天気は曇りだった。「ボク」は産まれて初めて待ち合わせより1時間早く着き、若干寒かったので「あなた」が来るギリギリにホットのお茶を買って待っていた。こんな優しいことをする男じゃないのに(笑)
鎌倉に到着して、小町通りを歩きながらいろんなお店を眺めつつ、八幡宮に行き、一緒にお詣りをした。その足で北鎌倉方面に向かいながら、「あなた」は昔の恋愛話しをしてくれた。たくさんの若げの至りがふんだんにあった…そう、昔の恋愛話し…
話しはまた外れる。「ボク」は何年か前に精神障害者の「彼女(第一話登場)」と日光に旅行に来ていた。徳川家光の墓が奉られている寺院に入り、「彼女」は言ってくれた。
『今度ここが公開されるのは60年後なんだって… 一緒に来れたらいいね。もしお互いが大切な人が変わっていても、公開される初日の12時にここで会おう。あなたの事を例え大切な人ができても愛しているから…』
「ボク」は彼女を抱き締めた。嬉しかったからではない。恋のエネルギ−がエンプティーで実感がなく、抱きしめないと「現実」として受け入れなれないから… 「ボク」は日光でお香を買った。「彼女」も買った。日光から帰り、しばらくしてから、睡眠薬を大量に飲み、「彼女」は手首を切って死んでいた。当時の「ボク」の部屋のお風呂はワイン風呂のようだった。何も考えなれなかった…部屋はボクが未開封のボクのお香と「彼女」の開封されたお香があり、部屋はあの寺院の香りがしていた。
「ボク」の感情は平板化した。
でもいつか「彼女」がこうなるのではないかと心の中では感じていた。(続く)