…しかしそれは苦難の歴史だった。
なにより《移民》といえば聞えがいいが、実体はほぼ《強制移民》であり、簡単な調査をしてテラ・フォーミング化できそうな星に、無作為に抽出した数億人を無理矢理送り込んでいたのだ。
結果、テラ・フォーミング化に失敗し、《宇宙連盟政府》(2700年に地球連合政府から改名)からの支援も救助もなく10億人が全滅する事件も起きた。
また、仮にテラ・フォーミング化に成功しても、政府の本拠地があった地球の植民地のような扱いをされ、そこで暮らす人々は非常に苦しい生活を強いられ続けた。
そしてついにその不満が爆発し、西暦3000年1月1日、各移民星は、星系ごとに《星系国家》を名乗り《宇宙連盟政府》からの独立を宣言。
それを認めようとしない政府との間に《第1次宇宙大戦》が勃発した。
当初、物量で勝る《星系国家》群側が圧倒的有利と思われたが、政府側の高い技術力と、《星系国家》間での意見の食い違いなどにより、戦線は350年にわたり膠着状態となった…。