私も二十歳になり仕事にもだいぶ慣れてきた。
家事もそこそこ出来るようになり、料理は私が担当になった。
そして、9つ年上の血のつながらない兄、ヒデはちょっと遅い青春を迎えているのか、よく友達を連れてきては飲んだくれていた。
まぁ、基本的には真面目な性格なので飲んでいなければ最高の兄だ。
そして、私にとって忘れられない夜が突然やってきた。
その日は、飲みに出かけたヒデの帰りを待っていた。
遅い…
もう12時だ…
と思っていたら、表で人の気配。
友人にかつがれたヒデがベロベロで帰ってきた。玄関を開けるなり、私に抱きついて
『ミサ…お前はかわいいなぁ…ずっとオレのそばにいるよな?お前だけが生きがいなんだよ…なぁ、ミサ…愛してる…』
と言い倒れ込んだ。
私は正直ドキッとした。心の奥に隠していた想いが、またよみがえってきた瞬間だった。
友人たちの手を借り、ヒデを寝かしつけた。
友人たちにお茶を出し少し話していた。
すると、友人が…
『ヒデさぁ…多分、ミサのこと本気だろ?』
『俺も今日そう思った!ずっとミサミサ言ってたぞ!』
私はそれを聞き、自分の気持ちにもう嘘がつけないと思ったんだ…。