振り返れば、私たちが仲良しだったのは最初の2年。後の2年はケンカが多かったように思う。
私たちはお互い学生で、卒業後はフミは就職、私は進学することに決まった。
それから少しずつ生活や考え方のズレが出てきた。
とにかく環境に慣れることが遅い彼は仕事中心の毎日で、私の事など考える余裕などなかったのだろう。
一方自分の思うように時間が使えて、社会的にも学生というカテゴリーで守られていた私は充実した毎日を送っていた。
そんな私をフミはどう見ていたのだろう。
いつ電話をしても、眠たいだの疲れただのと小言が多くなった彼。
わかってあげたくても、キツイ性格が災いして一言多くなってしまう。
『リカにはわからない』
そうと言い出す彼に、私は苛立ちを隠せなかった。
今思えば、仕事に慣れない彼を労り、話を黙って聞く事を彼は望んでいたのかもしれない。
しかし、私には彼の気持ちを理解することなく、思う事をポンポンと言ってしまった。
彼からの連絡は次第に減った。
フミと話したい私。
私と距離を置きたいフミ。
このすれ違いを2年ずっと続けてきた私たちはついに終りを迎える事になった。
私たちが付き合った日にそれは起こった。