ヤス#40

チャーリー  2007-04-18投稿
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ヤス#40
「あ、そうだった…」
「一…ニ…三…」
母が己の膝を割り開き、ヤスの背中を抱きしめて一緒に数えてくれた。
「…八…九…十ニ…」
「ヤス…いくつまで数えるの?」
「うん…三十まで」
「はい。三十までね…十四…十五…」
結局、五十まで数えきったヤスは、赤い顔をして風呂から上がった。
ヤスは洗いたての猿股とシャツを着ると、自分の部屋に入った。布団を敷くと、その上で大の字になった。部屋には電灯がない。月あかりが窓越しにうっすらと差し込んでいる。ヤスは一旦起き上がりろうそくに火を灯すと、再び布団の上で大の字になった。ろうそくの明かりがュラュラと揺れている。ふと、気がつくと、アイが隅の方で静かに座っていた。
「勝手に人の部屋に入るなよなぁ」
「家来ですから…」
「ちっ!勝手にしろ」
薄明かりに目が慣れてきた。天井の木目までが見て取れる。アイがにじり寄ってきた。何とも不気味な生き物だが、美しいし、母とは違う妖艶さも備えているようだ。だが、ヤスには妖艶の意味が分からない。胸がドキドキするだけだった。股間まで疼きだしている。「あんまり…近寄るなよ」
「あれ、どうしてですか?」
「困る」
「どうして、お困りですか?」



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