終結の旗 4

チョン  2007-04-20投稿
閲覧数[378] 良い投票[0] 悪い投票[0]

彼は、その日コノ世に生を受けた、母親の死と引き換えに。
父は酷く落胆していた。元々子供のできにくい体であった妻に、やっとのことでできた子供。

しかし…

最愛の女の死をどうしても受け入れられなかった。それどころか生まれ出た子供さえも、妻を殺した元凶として忌み嫌ってしまうのではないか?と、自己嫌悪に陥る。父は息子に名前すら授けぬまま姿を消す。

赤子は誕生してから2日で両親を失った。

周りの人間は彼のことを「悪魔の子」と呼んだ。

当然、彼はアブ教の施設に引き取られると思われていたが、神への信仰と同時に悪魔への畏怖を強く持つことから引き取りを拒否する。

結局、彼は生後間もなく出生した病院から、ほど近い「エ・ピエトロ・アルマンド寺院」に引き取られる。アブ教ともヒス教とも違う「トワ教」という教えを信仰し近所でも変わり者として有名な老シスターのいる修道院のような所。

トワ教は寺院の名前にも有るとおり「ピエトロ」という神を信仰する宗教。ピエトロは家族、仲間等の繋がりを重んじる思想で、その中でも血の繋がりを何よりも大切にする。

彼は修道女マリー・モスバンにより「トライワン」という名を貰う。トライワンは神話の中で、神ピエトロに可愛がられるペットの竜の名前であり、彼が神に愛されることを願い、この名をつけた。

彼は物心付いた時から修道院にいた為、マリーのことを本当の母と信じ幼少期を過ごす。

そして、10年の月日が流れる。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 チョン 」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]
カールもストレートも自由
2980円で楽々セット!


▲ページトップ