…寂しげな顔で機体を撫でるおやっさんを残し、言われた通り隊長室へ向かう。
途中、数人の隊員達が自販機の前で話しているのが聞こえてきた。
「見たか?3番ポートのシャトル。
最新型だぜ。」
「最新っていうとNe‐152か…。
あれってまだ10機ぐらいしか製造されてないぞ。」
「出たよ…宇宙船マニア。まぁ誰が乗ってきたのかは興味あるけどな。」
…どうやら客が来ているのは本当らしい。
その場を通りすぎ、《トラム》乗り場まで来る。
《トラム》とは[上下左右に動くエレベーター]のようなものだ。
ステーション全体にレールが張り巡らせてあり、ステーション内の移動には主にこれを使う。
ドアが開き中へ入る。
「リング1、えーと…二番まで。」
『リング1、二番、了解しました。』
行き先を告げるとコンピュータのマシンボイスが答え、ドアが閉まる。
そして静かに動きだした。