闇は僕におしえてくれた…
コレは悲しいことだと…
気が付くと僕は闇から戻っていた。
女の子がダンボール箱を持って目の前に立っている。
「だいじょうぶ?」
さっきまで、あんなに泣いていた子が僕を心配そうに見つめてくる。
「うん、平気…」
今のこの子を見ていて、僕はとても怖いことを考えていた。いや、むしろソレは確信に近かった。
幼いなりに、いや、幼いからこそとても怖いことをこの子に聞きたかった。
「じゃあミーちゃん埋めに行くから、バイバーイ。」
手を振り女の子は去ろうする。
「待って!!」
僕は、まだそんな遠くに行っていない女の子を全力で引き止めた。
「なぁに?」
今度は不思議そうにこちらを見つめてくる。
僕の鼓動ははじけそうなくらい高鳴っている。
「あのさ…今…悲しい?」
女の子は口をあけた。
「…不思議なの…さっきイルくんが頭を撫でてくれてから、ミーちゃん見ても涙が出なくなったの……だからね、もう…」
「…全然悲しくないんだ。」
そう言って女の子は笑顔で去って行った。
しかし、その笑顔の時の女の子の瞳は、さっきまでいた闇そのものだった…
そして僕は気付いた…その笑顔は母さんと同じだった…