…隊長は、眼鏡に薄い髪の中年男性だ。
昔は海兵隊に居たらしいが…すでにその面影すらない肥満体型だ。
その丸い顔に、今は緊張の表情を浮かべている。
記憶が確かなら、あそこは応接室のはずだ。
通常の客ならば応接室ではなく、隊長室にソファーを持ち込んで対応するはずなのだが…。
隊長の様子からしても、相当なVIPらしい。
「失礼しま…。」
隊長に招かれて、部屋に入りかけて思わず足と口が固まってしまった。
部屋にはひとりの女性が立っていた。
「美人」では足りない、「美しい」としか言いようのないほどの美貌の女性だった。
真っ直ぐな、腰まである長い金髪。
やや垂れ気味の、だが優しげな蒼い瞳。
通った鼻筋に柔らかそうなピンク色の唇。
それらが、ふっくらした顔に絶妙な配置でならんでいる。
化粧っ気はないのに肌は雪のように白い。
士官用の白い軍服に身を包んでいるが、それでもかなり魅力的な身体つきをしているのがわかる。
タイトスカートから伸びる脚はスラリと長く、胸元は大きく盛り上がっている。「女神」か、「天使」が目の前に現れたようだ。