あたしたちは、廊下ですれ違ったらちょっと喋るくらいで、恋人らしいことなんてしたことなかった。
「ねぇ夢子!!圭史朗君とどうなったのってば!!!」
弥夜は、すぐこう言ってくる。
「どうって…何もないし」
「うそだぁ!だってもう…えっと、もう1ヶ月じゃん!!」
「1ヶ月だからってまだ何もないから!!!」
焦ったようにあたしは答える。
でも、本当に何もしてない。
「圭史朗君って〜手早いんでしょ??チューもしてないワケ?」
チュー!?
「しっ…してない!つかしないよ!!圭史朗手早いの知らんし」
「彼氏のことくらい知っとけよ〜!!圭史朗君てねぇ、小学生のときにねぇ、亜紀にチューしたんだよ♪」
「…は??」
亜紀って友達の…??
「夢子知らないかぁ??あんねぇ、圭史朗君小6の時亜紀と付き合ってたんだよ!放課後の教室でしたって亜紀言ってた」
「…え…」
「あッごめん!まぁ小学生だしさぁ、夢子にまだしてないってことは夢子相当大事にされてるよ」
「そうかなぁ…」
別にチューしたいわけじゃないけどさ…。
そして、付き合って2ヶ月目。
またそれは突然だった。