突然。まだ2ヶ月。
『好きなヤツ出来たから、別れよう』
また、手紙だった。
今回は愛おしいなんて思わなかった。
でも、悲しくなかったし、泣きもしなかった。
あんなに好きだった圭史朗が、付き合って安心したのか何故か遠い存在に思えた。
たぶん、2人でいることも遊ぶこともなかったからかな。
心に距離が出来たのかも…
って思い始めたときに、突然別れてくれと言われて。
ある意味突然なんかじゃなかったのかもしれない。
2人に距離が出来始めたから。
あたしは、圭史朗との"恋人"としての思い出はなかったように思った。
だから、別れを受け入れることが出来たのかもしれない…
あたしは、この2ヵ月を、若かったから想いが揺れたんだ、しょうがなくて…思い出にしてしまおうと思った。
でも確に圭史朗が大好きだった。
この2ヵ月は、あたしの中でひっそりと思い出になった。
「ちょっと夢子!!別れたってマジで!?」
弥夜が、放課後あたしの所に駆け寄って来た。
10月。
圭史朗と別れたのは一昨日なのに、もうみんな知っていた。
「マジだよ〜(笑)圭史朗ね、好きなヤツできたんだってさ♪」
あたしは軽く答えた。
「なんそれ-!!好きな人!?」
「ウケるよね〜」
「…夢子、あんた大丈夫なの」
急にしんみりした口調で、弥夜はたずねた。
「…………うん♪なんか変な感じでさぁ、あんだけ好きだったのに別れてって言われたとき悲しくなかったの」
「ホントにそれでいいわけ!?」
「…だって…好きな人出来たんならしょうがないでしょ?」
「あんたの気持ちはそんな軽かったっけ?」
……
「あたしだって軽い気持ちじゃなかった。ホントに好きで…でももう終わったんだよ。圭史朗はもうあたしを好きじゃないんだよ。」
「…弥夜は嫌だよ!!どうして…」
「弥夜…あたしも、正直どうしてって思った。でもさ、あたしらまだ中1だよ?そうゆうの語るには早すぎるよ…」
あたしは、年齢のせいにしてこの恋を終わらせた。