それからしばらくしてヒデは体調をくずした。
最初は風邪だと思い、家でゆっくりさせていた。しかし、その症状は悪化していった。
発熱、呼吸困難らしい症状…
見るに見かねた私は嫌がるヒデを無理やり病院に連れて行ったんだ。
その時の医師の説明はあまり詳しいことを言わず、念の為検査入院をしましょう。とのことだった。
そして数日後、検査のためヒデは入院した。
病院嫌いのヒデにとっては入院自体が苦痛だったのであろう…少し機嫌が悪かった。
散々検査をし、私は医師に呼び出されたんだ。
そして、ヒデの病名が告げられた。
『肺ガン』と…
余命一年…。
私の頭の中は真っ白…
医師の説明もほとんど耳に入ってこない。
だって、ヒデはまだ30歳半ば…肺ガンなんて高齢者の病気と思っていた。ただただ『何?何?』という思いだけ…。
正直、その時の私と医師との間の会話は今でも覚えていない。
ただその後、医師はヒデ本人に病名を宣告したんだ。
『余命一年です』と…。