ある日の授業中のこと。あたしは雄太に話しかけられた。
「お前…なんかさ、他のやつとはなんか違ぇのな」
「は?どしたの急に?」
雄太は隣だった。あまり話さなかったけど、今初めてまともに話したと思う。
「いや、ただそう感じただけ」
「意味わかんないし!」
あたしは笑いながらノートを書き続ける。
「だってさ、なんかお前…仕草とか可愛いんだもんよ」
「は…?」
あたしはノートを書く手を止め、雄太を見た。
彼は物凄い笑顔でこちらを見ている。
「何それ?他の子は可愛くないっていってんの?」
「いや、違くてな?その…なんだ?あれだよ、他のやつよりお前がかわ」
「うるさいぞ雄太!」
雄太が話し終わる前にビュッと先生のチョークが飛んできて、雄太の横顔に当たる
「いってぇ!何すんだよ橋本!」
橋本といわれた男、もとい先生はげらげら笑い飛ばし。
クラスの皆は笑っていた。
「お前がうるさいからだぞー。紗羅が必死にノート書いてんのにお前はまったく…。紗羅を見習え!」
紗羅というのはあたしのことだが、そこまで必死に書いてはいなかった。
むしろ雄太との会話が楽しかったから、もっと話したかった。
この幸せはそう長くは続かなかった。
続*