そんなヒデの大きさに圧倒されて、私はヒデの前では絶対に泣かないと決めたはずだったのに涙が止まらなくなってしまった。
そんな私を見て、ヒデは声を出して笑ったんだ。
ヒデ…あなたは本当にすごい人だよ。
それからはヒデの病状は良くなることはなかった。
最後は吐血を繰り返し、話すこともできなかった。
そして、ヒデは死んだ…
ヒデ…やっとラクになれたんだね…。
ヒデ…本当によくがんばったね…。
ヒデの最後の言葉は何だったのだろう…考えた。
そう…思い出した…。
私の手を握って
『苦労してる手だなぁ』だった。
私は苦労なんかしてないのに…
ヒデの手にかなうわけないじゃん!
そう1人で思い出を振り返っていた。
その時、担当してくれていた看護士さんがたくさんの封筒を持ってやってきた。
『これね、お兄さんから頼まれたの。俺が死んだら妹に渡してください。って…』
それは、私とヒデの仲間たちに宛てた手紙だった。