過ぎゆく時の中で〜vol・2

真希  2007-04-22投稿
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体を酷使した結果だった…
胃や肝臓の機能が著しく低下し、検査の結果1ヶ月の療養を要するとの展開だった。
客の酒をあけてナンボの商売なのに、これではホストとして致命傷だ。
こうして、不本意にも幕を閉じたのだった…

リセットを余儀なくされ、苦しくもベッドでの生活をする日々の中で、あるスポーツ新聞の産業広告を見つけたのだ。
(出張ホスト求む!)
ホストはホストでも、勝手が違う事は想像がついていた。
全ては半信半疑だが、ワラにもすがる思いで連絡してみたのだ。
業務内容は、マッサージコースが何種類かあり、交渉次第では本番行為も要求されるだろう。まるで銀幕から下ろされたスターの行先は、薄暗い汚れたドサ回りで落下を辿るだけの殺那的な選択の様に感じた。

「ポンコツになったホストが向かう先としては相応しいよ…」

それでも存在意義を求め、さ迷う自分が不憫に思えた。
しかし、この選択が先の人生の中で大きな影響力を与えてゆくなど、この時は知る由もなかった…。

退院後、住所が明記してある場所へ行ってみると、そこには立派とは言えない傷んだ雑居ビルが建ち並び、怪しげな金融業者が収まるような所だった。
エレベーターで4階のフロアーを尋ねると、早速ポラロイドで写真を撮られた。

アンケート用紙にプロフィールを記帳すると簡単ではあるが、自分の宣伝材料ができたのだ。そしてそれは、在宅ホストが記録されたファイルに収まり、とても複雑な心境だった。
のちに、会員メンバーのお客が指名をすれば、会社から直接連絡が来て待ち合わせ場所に行く仕組みらしい。
何日か過ぎた、ある日の事。
その運命は突然にやってきた…。 vol.3に続く



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