だけど、楽には死なせないよ。じわじわと痛めつけてからかな………フフッ。」
そこでクラスメイトのひとり、梶夏紀が出ようとしたのでドアを開けようとしていた手にハサミを突き刺した。彼女ははさみが刺さった手を押さえながらしゃがむ。躊躇いや罪悪感は全く無かった。むしろ気持ちが良かった。自分の手で憎んでいる人を傷付けることが出来た。それだけで幸せだった。だが物足りない。
「逃げるやつは優先的になるんだよ。君から殺すと面白くないから……先生。先生からにするよ。ねぇ、川上先生。」
「やめろ、落ち着け。今なら間に合うぞ!」
「うるさいなぁ……。僕のこと見て見ぬふりしたくせに自分だけ助かろうなんて考えおかしいよ。
みんな、叫んだらどうなるか分かってるよね?叫んだらこいつと同じ運命になるぞ。」